近年、働き方改革の観点から残業時間の短縮を進める企業も増え、業務を効率的に進めていく必要性がますます高まっています。
仕事の効率化を進めることで、生産性も高まり、社員のモチベーションも向上するというメリットがあります。
しかし、単純に「業務効率化」といっても、具体的に何をどうすればよいのかわからない…という方も多いのではないでしょうか?
この記事では、業務を効率的に進めるための具体的な方法や考え方、便利なツールを紹介いたします。
業務効率化を実現し、会社の生産性を上げ、より働きやすい会社づくりをしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
業務効率を下げる要因
業務効率を上げるためには、仕事のプロセスや内容の非効率な作業を洗い出し、業務を改善していくことが重要です。
それでは、業務効率を下げる要因には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?
仕事の優先順位付けができていない
業務の効率が下がる要因のひとつに、仕事の優先順位付けができていないという問題があります。
優先順位を付けることで、業務を効率的に進められると同時に、時間を有効に使うことができます。
優先順位を付けずに、手あたりしだいに仕事を進めようとすると、成果に結びつきにくく、時間もかかってしまいがちです。
本来最初に取り掛かるべき優先順位の高いタスクを後回しにした結果、周囲の人や取引先に迷惑をかけてしまうといったリスクも起こります。
優先順位付けは、個人的なタスクだけでなく、組織やチームで取り組むタスクにも必要です。
ムダで非効率なコミュニケーション
非効率な業務の代表として、不要な会議やメールでのやり取りなど、社員同士の非効率なコミュニケーションも挙げられます。
会議を開催するためには、業務に関係する社員が集まる必要があり、資料やプレゼンテーションの準備にも時間がかかるため、それなりの時間を要します。
また、会議を開催する日時を決める上で、関係する社員のスケジュールを把握し、調整しなければなりません。
メールの対応も、文面を気遣ったり返信に追われたりなど、意外と時間がかかり、本来の業務に取りかかる時間を奪われてしまいます。
毎回、相手の宛先アドレスを入れたり、元の要件を辿ったりなど、意外と手間と時間のかかるコミュニケーション手段です。
毎日当たり前のように行う周囲の人とのコミュニケーションが、実は膨大な時間を人々から奪っているのです。
ツール・自動化への拒否反応
業務効率化のために、新しいツールを導入する場合、扱いに慣れるまで時間がかかることから、拒否反応を起こす人も一定存在します。
特に、変化を嫌う社風や、上層部が新しいものを取り入れることに抵抗を感じている場合、業務の自動化や新しいツールの導入が困難になりがちです。
デジタルに抵抗を感じる年配の人でなくても、日々の業務に追われる中、新しいツールに慣れるまでは、負担が増えてしまうと感じるものです。
そのため、業務を効率化させるツールだとしても、新しいツールを導入するハードルが上がってしまうこともあります。
ツールを導入することで明らかに業務効率化が実現されることが分かっていても、ツールの使い方を学ぶ・慣れるといった短期的な手間をかけることに抵抗を感じる人は多いようです。
業務効率化の進め方
業務を効率的に進めるためには、次のような対策が効果的です。
課題を明確にする
業務を効率よく進めるためには、まずすべてのタスクを洗い出し、それぞれの課題を明確にします。
そのために、まずはやるべきことや気になっていることなどを、すべて書き出しましょう。
長期的なプロジェクトは分解して、それぞれのゴールを設定します。
頭の中で考えるだけでなく、書き出して「可視化」することで、タスクを認識しやすくなり、どれから取り組むべきかが明確になります。
会議を開催する際も、話し合うべき議題や目的を明確にし、参加メンバーに共有します。
議題や目的が共有されることで、参加者は、情報や自分の意見をまとめて会議に出席でき、会議を効率よく進められます。
議題が明確になると、参加する必要のないメンバーは他の業務に集中できます。何のための話し合いか目的もはっきりするため、ムダな時間を浪費せず、時間を効率的に使うことが可能です。
解決すべき課題の優先順位を決める
次に、各タスクの緊急度や重要度から、優先順位を付けます。
タスクの緊急度の高いもの・低いもの、重要度の高いもの・低いものを把握し、緊急度が高く重要度も高いものが、優先順位の高いものとなります。
作業時間のかかるものも、優先的に進めておくことで、あとあと負担が重くなることを避けられます。
優先度を洗い出すことで、そもそも必要のないムダな仕事が発覚することがあります。
この段階で、必要がないと思われる作業を洗い出し、ムダを省くことも重要です。
「何をすべきか」を決めるのと同じくらい、「何をしないか」を決めることが大切なのです。
優先順位を付けたら、リストを作ることをおすすめします。
紙や手帳に書き出すほかに、タスク管理ツールといったデジタルツールで管理する方法もあります。
ツールを導入し、各人のタスクを一元管理することで、同じ作業をほかの社員が進めてしまうといった事態を避けられます。
そのため、グループで取り組む業務は、グループ内でタスク管理を共有することが大切です。
情報を共有することで、作業のムダやお互いの進捗状況も確認できるなど、業務の効率化に貢献します。
それぞれの課題を解決する方法を決める
課題を洗い出したところで、次は目標やゴールを明確にし、設定したゴールに到達するための計画を立てます。
「いつまでに」「どのように」進めていくかを具体的に決めていき、効率よく結果を出せそうな方法を見極めていきます。
効率の良さだけでなく、計画の取り組みやすさや、リスクの少なさなども考慮し、継続しやすい方法を選択することも重要です。
作業工程を見直し、作業の順番を変えることで、作業にかかる時間を大幅に削減できることもあります。
業務の効率化を目指し、最適なスケジュールと課題解決法を考えましょう。
優先順位に基づいて改善方法を実行する
スケジュールに基づき、優先度の高いものから実際に取り組んでいきます。
計画を立てた際の状況が変わってしまうこともあるため、ある程度の計画が練られた段階で、早めに取りかかることも大切です。
各施策の効果検証を行う
作業工程が完了した段階、もしくは作業途中に、計画内容と結果を比べ検証を行います。
作業途中でも、計画と照らし合わせて、大幅なズレが生じているときや、見込んでいた効果が期待できないと判断したときは、計画を練り直す必要もあります。
業務効率化の効果は、作業完了後すぐに現れないこともあります。作業効果は少しずつ現れることも考慮し、長期的な視点を持ちましょう。
効果やプロセスを振り返り、次の業務に活かしていくことが重要です。
作業の過程で起こったミスや計画の狂いも、単なるミスで終わらせず、原因を分析して社内で共有し、再発を防ぎましょう。
業務効率化を助けてくれるおすすめツール
業務効率化を実現する上で、アナログの手法のみでは限界を迎え、ツールの力を借りる必要性が出てきます。
そこで、業務効率化を助けてくれる便利なツールを幾つか紹介します。
プロジェクト管理ツール
プロジェクト管理やタスク管理は、効率よく仕事を進める上で欠かせません。
一般的に仕事においては、次から次へと新たな業務が発生するため、多くの業務を平行して進める必要があります。
同じ業務を進めるグループ内で、情報を共有するためにも、デジタルのタスク管理ツールを導入している企業も多いでしょう。
デジタルツールで管理することで、リアルタイムで更新される情報を、グループ内で共有できることも大きなメリットです。
各プロジェクトが今どのような進捗状況で、誰が何を担当しているのかを可視化することは、業務効率化の観点において非常に重要です。
業務効率化に貢献する、便利なプロジェクト・タスク管理ツールを3つ紹介します。
Trello
Trello(トレロ)は、タスクをカード型(かんばん方式)で管理するツールです。
1枚のホワイトボードにタスクを貼り付けたり剥がしたりする感覚で、直感的な操作ができます。
カード型のタスク管理のため、それぞれのタスクを視覚的に把握でき、何が完了していて何が進行途中か、一目でわかりやすいことが特徴です。
プロジェクトのメンバーが情報を共有でき、タスクの進捗状況を一目で確認できます
クラウド型の管理ツールのため、パソコンでもスマートフォンでも、どこでも簡単にチェックできます。
Backlog
Backlogは、ひとつのプラットフォームでチームの全員の進捗状況を共有し、チームのプロジェクトを円滑に進めるための、タスク管理ツールです。
チームメンバーの作業状況が一カ所に集約され、可視化されることで、プロジェクトの進捗状況を簡単に把握することができます。
ファイル共有やガントチャートなど、作業効率を上げるさまざまな機能があり、開発から人事・総務など、あらゆる職種で活用されているプロジェクト管理ツールです。
Jooto
Jootoは、基本操作が直感的に行える、シンプルなデザインが特徴のタスク・プロジェクト管理ツールです。
日々の作業状況やステータス管理など、たくさんのプロジェクトを管理でき、チームの情報をJootoに集めることで、作業の効率化に貢献します。
ガントチャート機能もあり、進捗状況がわかりやすく、業務の効率化をサポートします。
Jootoは、slackやChatwork、Googleカレンダーといった、外部ツールとの連携が可能です。
複数のツールを使うことで何の情報をどこに登録したか混乱してしまいがちな状況を、それぞれを連携することで統一でき、タスク管理がシンプルになります。
Jootoの有料機能は、1,800社以上の企業で導入され、アンケート調査では、各社マネージャーの87%が、業務の改善を実感しているという結果が出ています。
コミュニケーションツール
コミュニケーションツールとは、主にビジネスでの利用を前提とした、社員同士でコミュニケーションを取るためのツールです。
チャット形式で会話をしたり、情報を共有したり、資料を添付することもできます。
連絡手段としては、電話やメールが使われてきましたが、近年、より気軽にスピーディーにやり取りができるチャット形式のツールが主流となってきました。
多くの企業が導入を進めるコミュニケーションツールには、どのような種類があるか、代表的なものを3つ紹介します。
slack
slackは、2013年にアメリカで生まれたビジネスチャットツールで、世界100ヵ国以上の国で使われています。
現在、日本国内でも50万人以上が利用しています。
slackのチャットは、個別のチャットはもちろん、複数の相手とやり取りができる「グループチャット機能」もあります。
slackのチャット機能の特徴は、メンション(@)を付けてメッセージを送れることです。
特定のメンバーにのみメッセージをしたい場合は、メンションのあとに、相手のアカウント名を付けてメッセージを送ります。
メンション機能を使うことで、メッセージを受け取った相手にも通知が届くため、メッセージの見落としも防げます。
slackは、外部サービスとの連携が充実している点も特徴です。
GoogleカレンダーやGoogleドライブ、TrelloやZapierなど、1500以上の外部サービスとの連携が可能。
外部サービスと連携させておくことで、slackに通知が届き、すべてのサービスをチェックする必要もなくなり、効率的に作業を進められます。
Chatwork
Chatworkは、2011年に日本で生まれたビジネスチャットツールです。
LINEに近い使い勝手で、シンプルでわかりやすい機能が特徴です。
個別のチャットだけでなく、グループチャット機能も使え、社外とのグループチャットも可能。そのため、同じプロジェクトを抱える社内外のメンバーが入り混じったグループを作ることができます。
Chatworkには、タスク管理機能もあり、個人やメンバーのタスクを管理することも可能です。
タスク機能によって、誰が何をいつまでに完了させるかを共有することもでき、自分のタスクのみを表示して管理することもできます。
LINE WORKS
LINE WORKSは、LINEのような使い勝手でメッセージのやり取りができる、ビジネスコミュニケーションツールです。
チャットのほかにも、グループ内で閲覧できる掲示板や、カレンダー、社内外のメンバーに実施することができるアンケートなど、さまざまな機能が揃っています。
メンバーは、管理者が管理画面で登録したメンバーのみ登録でき、データも専門のエンジニアチームによりモニタリングされているため、セキュリティ管理も万全のコミュニケーションツールです。
日程調整ツール
日程調整ツールとは、ビジネスやプライベートのイベントで、メンバーのスケジュールを考慮しながら日程調整を行うための便利なツールです。
会議や飲み会など、集まるメンバーの予定を確認し、全員の予定をすり合わせて日程や時間を調整するのは、かなりの手間と時間がかかります。
日程調整ツールを使うことで、複数人のスケジュール確認が簡単にでき、一人ひとりに連絡をするなど、手間や時間が大幅に解消されます。
おすすめの日程調整ツールについては、こちらの記事で詳しく紹介しています⇩
https://blog.toyokumo.app/scheduler/schedule-element/
ツールの活用と作業工程の見直しで、業務効率を高めましょう
業務を効率化するためのアイデアを紹介いたしました。
ひとくちに「業務効率化」といっても、作業を進める手順の効率化か、連絡手段の効率化かなど、課題や内容によって手段はさまざまです。
作業の進め方を工夫し、業務を効率的に進めることは、生産性のアップにも直結します。
便利なツールを活用したり作業工程を見直したりして、自分たちのグループや組織には何が適切かを見極め、業務の効率化を進めていきましょう。